犬の訓練士マニュアル 実践!警察犬トレーニング
犬の訓練士を目指す人のため、犬のことをもっと理解したいという人のために、
警察犬訓練大会で準優勝した経験がある私が解説しています。
犬の訓練士マニュアル 実践!警察犬トレーニング > 子犬時代
子犬が生まれてから、人の元へ引き渡されるまで、通常46日。
それより早すぎると、子犬の生育が追い付かず、未発達なため、親離れできていないことが多く、成犬になってから色々と問題が起きたりします。
40日を過ぎれば、親から離せる体にはなっていますが、心の成長を待ってから外に出すことが望ましいと思います。
子犬のうちは、なるべく人間の子供と遊ばせることで、ふれあいを通し、犬も子供も互いに、優しさや労りというものを学びあい、いい方向に向いていきます。
子犬の頃は、将来、訓練犬にするつもりの犬も、普通の犬と同様、人の中で心と心を通わせながら、絆を学び、子犬らしく育てます。
その間は、なるべく叱らず、甘やかしてあげていい時期です。
最低限、トイレや食事時の行儀、強く噛むことなどの悪い癖を強制するくらいで、あとは自然のままに、伸び伸びとさせてあげてください。
この時期に叱りすぎると、委縮したり、凶暴になったり、今後の性格そのものに悪影響を及ぼす可能性があります。
本格的な訓練を施せるようになるのが、6か月を過ぎたころだと思ってください。
身体は完成していても、心が伴わないと、訓練事態も中途半端に終わります。
例えば、耐性がなかったり、飽きっぽかったり。
心が未発達な犬は、人を信頼しきれず、訓練を入れるときにも、意思疎通が上手くいかないことが多いようです。
初めて訓練を入れるときは、すぐに出来ると思わないことと、失敗して当たり前、くらいのつもりで見てあげてください。
最初から上手に出来る犬なんていません!
必要以上にプレッシャーをかけると、次のステップに行くとき、失敗を怖がって、チャレンジ出来ない子になってしまいます。(汗)
普段から、訓練の要素を遊びの中に取り入れて、少しづつ教えてあげましょう。
訓練を始める前に少し、ウォーミングアップのつもりで遊んであげると、意欲が湧き、メリハリがつきます。
訓練にも身が入り、教えようとすることにも積極的に取り組もうとするため、覚えがいいようです。
次に 訓練に使用する道具について。
全て買い揃えなければわけではなく、手作りでも十分、代用できるので、自分で、使い勝手のいいように工夫してもいいでしょう。
特殊な道具は、専門店でも需要がないため、販売していないものもあります。(汗)
訓練をする際は、遊びの中で、訓練に関係する好奇心をくすぐる犬が初めての動作に躊躇したら、リーダーが率先して、一緒にやってみせるなど、犬に合わせた訓練方法を共に模索してあげましょう。
また、常に飼い主の目の届くところにいるように慣らすことで、飼い主に「注目」することを覚えさせる訓練も大切です。
とにかく褒めて、その気にさせるのが一番の上達の早道です。(笑)