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警視庁管轄の仕事犬一覧

「警察犬」や「災害救助犬」の他にも、警視庁管轄で「仕事」を請け負う犬がいます。

「仕事犬」(または「使役犬」)とは、人のために働く、作業する、仕事する、ために訓練された、全ての犬に当てはまる語句です。

ここでは、そんな「仕事犬」(または「使役犬」)の、仕事内容を簡単に紹介したいと思います。

水難救助犬

犬種は、ゴールデンレトリバーやシェパードなど。

水難救助犬は、水に飛び込んで、溺れた保護対象を水中で引っ張りながら泳いだり、陸に引きあげたりしなければならないため、やはり水場が得意な犬種が向いているようです。

ダックスフントやパピヨンなどの、小型犬も認定されているようですが、安定感のある大型犬の方が向きだと、個人的には思います(汗)

小型犬だと、頼れないというか・・・小さな体には、体重を掛けにくいです・・・よね?

山岳救助犬

犬種は、セントバーナードやグレートピレニーズなど。

山岳救助犬は、高い山で遭難した、登山者を救出する犬です。

この犬に必要なのは、平地を素早く移動するスピードでも、流れの早い川中を泳ぐ技術でもありません。

高山は気温も低く、万年雪が残るほど過酷です。
その寒さの中、肉体的にも精神的にも追い込まれ、それでも立ち止まらずに前に進めるか、粘り強さが勝負です!

保護対象者の中には、寒さで意識のない人や、自分で動く力も残っていない人もいます。

そんな保護対象者を背に乗せ、安全な場所まで運ぶとなれば、やはり寒さに強い、身体の大きな犬でなければなりません。

テレビや映画で、首から樽をぶら下げて、雪山で遭難した人を助けに向かう大型犬をよく見ますよね?

あの樽の中には、救助に必要な救命道具や、ブランデーなどの強いお酒が入っています。

お酒の主な目的は、救助に向かう隊員や、遭難者の身体を温めるために飲むのですが、時には、救助犬にもお酒を飲ませ、寒さを和らげるそうです。

過酷な環境であればあるほど、心の絆は強く、犬と人の境を超えて、結ばれるものなのかもしれません。

火災捜索犬

犬種不問。火事が起きそうな場所を捜索する犬です。

火薬の匂いや、可燃物の微量の匂いを嗅ぎつけ、火事が発生しそうな場所を特定します。
※同じ要領で、「DVD探知犬」や「トリュフ捜索犬」という仕事犬もいるそうです(笑)

トリュフは分かるとしても・・・DVDの匂いを嗅ぐ、ってことでしょうか?
こうなってくると、何でもアリっていう感じですね(汗)

麻薬探知犬

犬種は、シェパードやレトリバー種など。

大きな空港などの検疫所では、この「麻薬探知犬」と呼ばれる仕事犬が常備しています。
主な仕事は、麻薬の捜索です。

この犬を訓練するには、実際の大麻や大麻樹脂などの薬物を使い、ある意味「麻薬中毒」にしてしまいます。

犬は既に、麻薬中毒になっていますから、薬物欲しさに、必死になって探します。
その執念たるや・・・人に置き換えて見ると、恐ろしいほどです(汗)

ただし、この訓練方法は、動物虐待にあたるとされ、昨今では違う方法で訓練されることも多いようです。

それは、ほんの微量の大麻樹脂の匂いをダミー(小さな包みや、縫いぐるみなど)に染みこませ、その匂いを覚えさせた犬に探させます。

そして、上手く見つけられたら思い切り遊んであげる、またはご褒美としてエサを与える、といった類の訓練です。

「麻薬探知犬」として認定された「仕事犬」の的中率は、90%を超えると言われ、ほぼ確実だそうです。

これらの訓練犬の大会は定期的に開かれ、毎回、多くの訓練犬が参加するそうですが、その確率は、50頭中の数頭が合格すれば、いい方だそうです。

なかなか、狭き門・・・のようですね。

軍用犬

犬種は、「警察犬7犬種」が望ましいですが、不問です。

主に、短毛のシェパードや気性の激しいドーベルマン、ボクサーなどが好まれるようです。

軍が率いる「軍用犬」は、「動物兵器」とも呼ばれ、身体に爆弾を巻き付けられ、敵陣に送り込まれます。

犬が敵の陣地に入ったところを爆発させるのです!
人間って、なんて残酷な生き物なのでしょうね・・・。胸が苦しくなります。

その他の軍用犬の仕事として、夜が更けてからの見張りや怪我人の捜索、銃や薬の運搬、地雷や爆弾の探知、などもさせていました。

極めて気性の荒い犬は、戦闘用として駆り出し、敵地に乗り込ませて、敵を噛み殺させることもあったようです。(汗)