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リーダーとしての資質

本格的な訓練を始める前に、リーダーとして、犬に認めさせなければなりません。

犬とある程度、絆が深まったと感じたら、次の事をやってみてください。

お腹を見せる行為は、あらゆる動物にとって急所を見せることになりますから、自分がよほど信頼している対象、例えば母犬や兄弟犬、群れの中のリーダー犬や自分がリーダーと認めた人に対してしか、させない行為です。

また、犬を伏せさせた状態で犬を下に置いて跨ぐ行為や、犬を座らせた状態で後ろから抱くように腕を回す、「束縛制止法」(または「ホルドスチール」と言います)もまた、同じ作用があります。

この行為をしても、犬がじっとして大人しく許しているならば、「リーダーとして認められている」と思っていいでしょう。

普通に接していれば、自然に上下関係が出来てくるものですが、もし抵抗するようなら、力ずくで分からせる、という方法もあります。
虐待じゃないですよ~(苦笑)

訓練を入れるには、この辺がしっかりしていないと次に進めないので、手っ取り早く「絆」を作ってしまいましょう(笑)

まず、無理やりにならないように気を付けながら、遊びながらお腹を出すように仕向けます。

そして、お腹を出したら、優しく撫でてあげましょう。
何度か繰り返すうちに、自然とお腹を見せるようになるでしょう。

また、犬の鼻と口を柔らかく掴み、開かない程度の強さで固定します。
これを「マズルコントロール」といい、母犬が子犬をしつけるときにも、この方法で叱ります。

犬が鼻を摺り寄せるのは、完全なる服従の印です。
そのしぐさは可愛らしく、子供が親に甘えるようで、微笑ましく映ります(笑)

※手足が使えない犬にとって、鼻や口を押えられることは、服従せざるを得ない体制なのです。

トリミングするときなど、キツイ性格のワンちゃんを強制するときにも使えます。