犬の訓練士マニュアル 実践!警察犬トレーニング > 訓練道具一覧

訓練道具について

訓練するときは、必ずといっていいほど汚れます。

汚れを気にしているようでは、犬と触れ合うことは出来ません。
汚れても気にならない服装で臨みましょう!

おもちゃを与えるときは、犬に、自分が与えたと示しながら与えることが重要です。

犬に自分で見つけさせるのと、リーダーが与えてあげるのでは、犬の信頼度が全く違います。

遊びを仕掛けるのも切り上げるのも、全てリーダー発信で犬を動かしましょう。

普段から、主従関係を揺るぎないものにしておくことも 訓練には必要なことです。

飼い主との絆がしっかりと出来ている犬は、行動そのものが嬉々として、はた目からでも分かるものです。

まずは、信頼関係を築くことを目指しましょう!

軍手

汚れ防止はもちろん、訓練の前後、犬の遊び道具にもなります。
犬は、飼い主の匂いが大好きです。
自分の大好きな飼い主の匂いを深く吸い込むことで、心身を安定させるのに役立ちます。

革ひも

出来るだけ細い引き紐を用意しましょう。
ナイロンでは、引く瞬間に伸びるため、犬に構える隙を与えてしまい、ショック(犬に与える一瞬の痛み)が半減するので不向きです。

首輪

器官を痛める恐れのない程度の出来るだけ細いものを使います。
これは、細い方が犬が受けるショックが大きいためです。
(太いタイプでは ショックが効きにくいため)

チェーンカラー

金属製の鎖の首輪です。(輪の端の丸環につなぎ紐を通し絞めるタイプ)
革ひもより威力が強く、使用頻度が一番多いタイプです。
主に、言うことを聞かないときなど、瞬間的に軽く絞めて、犬に注意を促します。
普段は首にぶら下げているだけなので、無くするのが心配なら、外しておきましょう。
犬の大きさに合わせたものを数本、用意しておくといいでしょう。

スパイクカラー

「強制首輪」とも呼ばれ、首輪の内側にスパイク(尖った金属)を取り付けたものです。

よく、アニメのブルドックが着けているイメージの首輪と言えば想像できるでしょうか?(笑)

尖った金属が内側に付いているので、使えば当然、血を流し、犬も悲鳴を上げます。
残酷な道具だと思います・・・。

日常で使用することはなく、本当に凶暴で手の付けられない犬や、ふざけすぎる時に、脅すくらいの使用になります。

無理やり「恐怖」を植え付けるもの(犬を絞めるためのもの)なので、一般的ではありません。

取扱う業者も少なく、ショップでもあまり取り扱われていないと思います。

ボール

これは、もう分かりますよね?
ご褒美の遊び道具です。

犬が上手に出来たときは、思い切り遊んであげましょう!
その時ばかりは、多少のわがままも許してあげましょうね(笑)

ダンベル

両端に重りが付いていて、真ん中が銜えるように棒状になっています。
人間の二の腕ダイエット用具に似ています。

訓練用の「ダンベル」は木製を主に使用します。
犬の口の大きさに合わせて、色々な大きさのものがあります。

長いひも

これは、革でなくても構いません。
5~10mくらいの長いものを用意してください。
呼んだらすぐに来るようにする訓練や、犯人を追う際のスタート訓練に使います。

障害

専門的なものを揃えるなら、高さ調節できるものが便利です。

私は、近くの公園のベンチや工事現場のパイプを繋いだようなガードをもらってきて使っていました。(笑)

訓練の完成度や犬の大きさによっても飛べる高さが違うので、近くを散策しながら探してみてはいかがでしょうか?

布きれ

「物品選別」の練習に使います。

布は新しいもの、または洗いざらしのものを用い、素手で触らないように気をつけます。
※匂いが付いてしまった場合は、使いません。

ピンセット

上記の布を掴むためのものです。

木片(割りばしも可)

実際の現場では、匂いを頼りに追及する際、様々な物から匂いを嗅ぎ分けなければなりません。

普段から、あらゆる匂いを嗅ぐ習慣をつけましょう。

目印棒

訓練大会では、長い針金の先に、目印布を巻きつけたものを用い、足跡を付けた目印として、地面に突き刺しておきます。

カバン

「物品看守」の練習に使います。

汚れますので、ある程度大きく、取っ手が付いているものであれば、使い古したもので構いません。

犬が力を入れて噛みやすく、引っ掛かりのある方が犬が意欲的に取り組めます。
訓練道具を入れるのにも使えます(笑)

訓練用ピストル

実際に、ピストル(練習用)にこだわる必要はありませんが、大きな音に驚かないようにする訓練なので、手に入りやすいものを用意してください。
(犯人は、どんな凶器を持っているか分かりません。銃もまた然りです)

麻袋

「襲撃」の練習の際に使います。

ヒモなどで丸く縛っておき、犬にけしかけます。
中に綿などを入れて噛みやすくしておくと、犬が喜びます(笑)

防御衣

「襲撃」の練習で、麻袋での訓練を終えた犬が、実際の人間を使って練習するときに使います。
厚い防寒着、というイメージです(笑)

普通に袖を通し、丈は膝くらいまでです。(デザインに規定はないので、色々あります)
これには、ほんとにお金をかけて下さい!!(怪我のもとです)

この防御衣を着るのは、実は訓練士自身ではありません(汗)

訓練士が防御衣を着て、「掛かってこ~い!ほら~!!」と、いくら犬に語気荒くけしかけても、本気でリーダーにかかってくる犬はいません・・・(苦笑)

なので、大変申し訳ないのですが、犬とあまり面識のない誰か勇気ある猛者にお願いするほかありません。

きっと、率先して手を上げる人は、いないと思いますが・・・(苦笑)

かなり怖いですよ~、牙を剥いて向かってくる大型犬は・・・。
一度やったらトラウマになること必須です(大汗)

その「犯人役」が怪我をしないように、他の道具はケチっても、ここだけは本気で奮発してください!!
(マジで・・・)何かあってからでは遅いです!

本当は最初から、やらなければいい訓練なのですが、そこを犬に教えておかないと、実際の現場で、犬が危険な目に遭います。

教えていないことは出来ないので、自分の身を守る術を犬に教えておくことも、「警察犬」を育てる立場としての義務なのです!!