犬の訓練士マニュアル 実践!警察犬トレーニング > 教えてあげられること

教えてあげられること

最後に私の経験を通し、訓練士を目指す人へ、伝えたいことをまとめてみました。

私が教えてあげられることは、正直言って少ないかもしれません。
それでも、警察犬がどういうものか、少しでも理解してもらえたら嬉しいです。

警察犬にとって、リーダーの命令は絶対服従です!

たとえそれがどんなに理不尽なことでも、犬はリーダーに従うように訓練されます。犬に命令したことを理解させる必要はありません!
それが結果的に、「犬を守ること」にも繋がるからです。

そこに信頼関係があれば、犬は行動を理解していなくても、サイン1つで動きます!
警察犬を訓練するということは、「自分の命を守る術を犬自身に教えること」だと思ってください。

犬に、自分の身を守る術を何も身に付けさせずに現場に連れていくことは、死にに行かせるようなものです。
自分が伝えてあげられる、あらゆる手段や方法を犬に伝えてあげてください。

犬を訓練するには、犬が嫌がることも、力づくで、やらせなければならないときがあります。(現場に出てからの甘えは命とりです!)
それこそ、血を流すことも珍しくはありません!

それくらい厳しい訓練を犬とリーダーが共に乗り越えるからこそ、強い絆と精神的な結びつきが強くなるのです。

それで、犬に嫌われることも、絆が切れるわけでもありません。
怖がらずに、犬に教えてあげてください!

中には「そこまでしなくても・・・」という意見もあると思います。

そう思うのであれば、自分なりの方法を探してみてください。
感じ方は人それぞれですし、それを否定するつもりもありません。

ここで挙げた「警察犬訓練方法」は、あくまで私個人のやり方です。

犬とリーダーが、それぞれの方法で理解し合い、繋がっていけるのなら、どんな方法でも構いません。

どうぞ、自分なりの方法を見つけ、学び、練習を重ねてください。