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上手な褒め方、叱り方

ここでは、上手な「よし」と「いけない」についてお話します。

確固たる上下関係を築くためには、ここがしっかり出来ていないといけません。

まずは、犬との信頼関係を作ることからはじめましょう。

何かを命じて、上手に出来たら褒めるのはもちろんですが、犬が喜ぶ身体の部位を撫でてあげることで、絆はもっと縮まります。

犬が喜ぶ部位は、お腹、横腹や頭、頬などです。

いずれも犬に、リーダーと認めてもらわなければ、触らせてもらえない部分ですので、知らない犬には、いきなり触らないようにしましょう。(噛まれます!)

逆に、叱らなければならない場合、犬に何が悪いのかを分からせた上で叱る必要があります。

感情的になって、言葉を連呼して怒っても、犬は何が原因で怒られたのか分からず混乱して、何度も同じ事を繰り返します。

何かを噛んだ場合、そのものを見せながら「いけない!」と言いながら、口を叩きます。

軽く叩くのでは意味がありませんから、叱る時は声や態度で犬が「キャン」と言うくらい、きつく叱りましょう。

注)犬は、噛むことでモノを確認する習性があります。
さじ加減を大切に。

長い棒や、大きなモノを使って叩くのは、絶対に止めてください!

また、犬は鼻や足先などの細かい部分が弱点です。

あまりいうことを聞かない子は鼻を叩く、つま先を踏む、なども効果的です。
悲鳴を上げるくらい痛いみたいです(笑)

※警察犬などの訓練犬は、「チェーンカラー」を使い、ショックを与えます。
「いけない!」と、強く声を発しながら、2歩~3歩下がり、チェーンカラーを瞬間的に強く引きます。
(チェーンカラーとは、細い鎖状の首輪ですが、強く引くと瞬間的に絞まります)

コツは、2歩~3歩後ろに下がり、瞬間的に、強く引くことです。

犬は一瞬、息が止まり、苦しくなりますから、絞められることを嫌がります。
この絞める方法で与える罰を「ショック」といいます。

ここで大切なのは、自分の都合や感情で「怒る」のではなく、言い聞かせるように、愛情を持って「叱る」ようにしてあげてください。