犬の訓練士マニュアル 実践!警察犬トレーニング > 足跡追跡

足跡追跡

行方不明者や逃げた犯人の行方を捜すために、犬が使われます。
警察犬として、一番要請の多い「仕事」です。

やり方は、まず犬を訓練場が見えない位置に待機させておきます。

折り返し地点で、「目印棒」を立てていきます。

なるべく複雑に、交差させながら道を作るのがコツです。

この時、歩いただけで、地面に「匂い」は付いていますが、慣れないうちは足を擦り付けるようにして歩いて、さらに匂いを強くします。

雨上がりの草むらや土の地面では、匂いが残りやすいので、初めての犬には有利です。

また、訓練に慣れていない犬は、リーダーの匂いを追うことから始めた方が、解りやすいようです。

所々、数か所に手の中で擦った布や小物を落としておきます。

場が整ったら、スタートです!
「脚側停座」から始めます。

犬に対象者(この場合はリーダー)の匂いが着いた「所持品」(この場合は練習用の布)を嗅がせます。

この時、なるべく「所持品」を素手で触らないこと!

せっかくの対象者の「匂い」に、自分の匂いが移ってしまっては台無しです。

ピンセットでつまめるものは、ピンセットでつまめないものは、ビニール手袋をするなどして工夫をしてください。

犬の鼻先に「匂い」のついたものを固定して、「匂いをとれよ」と静かに声をかけます。

犬が集中していない場合などは、チェーンカラーで軽くショックを与えながら、指示を繰り返します。

この時、匂いをとることに慣れた犬は、指示を受けて深呼吸します(プロですね(笑)

数分して犬が確認したことを確かめたら、地面に犬の鼻を下ろします。

そして、「探せ!」と声をかけて、犬を放します。

しっかり匂いを覚えた犬は、対象者の歩いた足取りを追い、歩いた通りの道順を辿ります。

犬がきちんと地面に鼻を付けて匂いを嗅いでいるか、「目印棒」をきちんと折り返しているか、確認しながら、少し後ろを追いかけます。

落ちている「所持品」を犬が発見したら、「待て!」と声をかけ、犬の側に走ります。

この時、見つけた「所持品」を咥えさせ、「伏せて待つ」ことを教えます。

訓練に慣れてくると、犬は指示がなくても、見つけた「所持品」を咥え、伏せて待つようになります。

それを繰り返し行い、目当ての対象者(ここでは「目的」と定めた物品)にたどり着いたら「吠え」て合図させます。

これが「足跡追跡」の訓練です。